2012年5月10日木曜日

新緑が眩しい吾妻渓谷を歩く 2012年5月

先日、八ッ場ダムが出来ると、沈んでしまう吾妻渓谷と、川原湯温泉街を歩いて来ました。















この橋も、この渓谷美も・・・。
















この滝も・・・・。















 そして、この遊歩道も・・・・・。


みんな、沈んでしまいます。



突然、新緑の渓谷に、コンクートの塊が・・・・。




















ダム本体建設予定地下部にも、また・・・。

綺麗な渓谷に、コンクリートの塊・・・・。



















コンクリートとは対照的に、新緑は目に優しいです。

















八ッ場バイパス、長野原バイパスが出来て、最早、旧道となってしまった国道145号線も、吾妻渓谷の遊歩道も、どちらもガラガラ・・・。

(あの時、話題になった八ッ場ダム湖面2号橋(不動大橋)の展望用の駐車場は大賑わいだったけど・・・・。)



















緑が眩しい・・・。
















大自然に包み込まれるような感覚・・・。
















遊歩道からの景色をしばし、楽しみます。








この吾妻渓谷の命の芽吹きを見た時、心が震えました。




綺麗な新緑の森とは対照的な、コンクリートの塊。








ダム本体建設予定地下部でひときわ目立つコンクリート。












綺麗な森から、流れる綺麗な川。

ダム建設前は、ごく普通の当たり前だった景色。


















鹿飛橋からの眺め。
















ダム本体が、現在の場所に移動になったのは、この景色を守るためと言われてますが・・・・はたして真相は?・・・・。

















吾妻川、右岸の遊歩道。

アップダウンもそれほどなく、気軽に歩けます。






















遊歩道沿いには、このような滝もあります。
















ダム本体建設予定地のすぐ上部の森です。

ここも、ダムの底です。
















せっかく、こんなに長年、この地で生きてきたのだから、守ってやりたいです。



吾妻渓谷からちょっと山の中に入ると、800年以上前に、源頼朝が発見したと言われている、名湯『川原湯温泉』があります。

この名湯も、すっぽりダムの底・・・・。



川原湯温泉へ続く道です。

今の時期は特に美しい!!



何人の人が、この美しい緑のカーテンをくぐって、この山あいの名湯を訪れたことでしょう。

歌人若山牧水もその一人です。



そして、この緑のカーテンもまた・・・・・。

















川原湯温泉の車道から、ちょっと下を眺めると、こんな綺麗な沢が流れていて、木々が生い茂っています。

この森もまた・・・・。




 そして、この露天風呂も・・・・。
















この草も・・・。 

















そして、あなたたち昆虫も・・・・。



 































私達のために、土を作り、水を綺麗にしてくれている大地の微生物までも・・・。


みんなみんな、ダムの底。



「吾妻渓谷や川原湯温泉に写真を撮りに行く」と言うと、必ず言われるのが、『沈む前に記録に残すのか?』 という事です。


何年も前から、ここで、写真撮っているけど、一度足りとも、そのように考えたことはありません。


残すのは、写真ではありません。


この景色です。



何故、写真に撮っているかというと、多くの人に、この景色を見てもらいたいからです。

本当は、現地に行って、実際に見てもらいたいけど、なかなかそうも行かない人も多いと思うので、せめて写真だけでも見てもらいたいと思っています。


そして、例え一人でも、この写真を見て、この景色を、後世に残したいと思って下さる方がいたらいいなあという気持ちで撮ってます。


八ッ場ダム問題は、関東に住んでいる人は、決して、ひとごとではないのです。


猛毒のヒ素まで検出されているこの水が、我々の水道水になるのです。

そして、ダムが出来れば、当然、水道料金はあがります。



地元だけの問題ではないのです。



それより何より、この景色を埋めてしまえば、最早、山の神も黙ってないでしょう。



若山牧水も書いてます。


『私はどうかこの渓間の林がいつまでもこの寂と深みを湛へて、永久に茂っていて呉れることを心から祈るものである。~中略~ 若しこの流れを挟んだ森林が無くなるようなことでもあれば諸君が自慢して居るこの渓谷は水が涸れたより悲惨なものになるに決まってゐるのだ』

若山牧水『静かなる旅をゆきつつ・中編』より



つづき ⇒ 新緑の不動の滝と吾妻渓谷を歩く